2016年11月9日水曜日

【展示作品について】
アドベンチャーレースの取材歴は20年になりますが、数年前から海外のアドベンチャーレースの取材をするようになりました。
 アドベンチャーレースは短いものは1日、長いときには1週間近くをかけて、時には数百キロを移動するチームレースです。1チームは4人。レースはトレッキングやマウンテンバイク、カヤックなどさまざまな人力による移動手段を取り入れて行われます。
 このアドベンチャーレースにはコースがありません。地図に示されたチェックポイントを、地図を読みながらつないでいきます。チェックポイントまでのルートは自由です。道があれば道をたどっても良いし、山の中を一直線に突っ切る力があるなら、それでもいいとされています。自分たちのチームの総合力を判断して、最適のルートを見つけ出していくことが成績を左右します。
 しかしこれは体力や技術の競技ではないと思っています。複数の競技をこなせる強い仲間を見つけ、チームを組み、練習し、状況を判断しながらルートを決める。ほぼ休まずに数日を競うことになるので仮眠や休憩のタイミング、補給の受け方、チームメンバーの体調など様々なことに気を配りながらチームがひとつになって進んでいかなくてはなりません。けれど、肉体的にも精神的にも限界の状態で、チームを維持するのは並大抵のことではできません。アドベンチャーレースでは若くて体力のあるチームよりも、ある程度の年齢に達した経験を積んだ人たちの方が上手にレースをこなして、結果的に良い成績を出すことは珍しくありません。最後までチームを維持する人間力こそ、このレースの最大の魅力であり、見所だと思っています。

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